2010/03/30

血と汗と、ただの水

涙の違い。忘れてはいけない。



Hotel Bleston Court ホテルブレストンコート(長野県・軽井沢町)の中洲達郎(なかすたつお)が、ボキューズ・ドール国際料理コンクールアジア大会において、見事3位に輝きました。

戦況報告会にて、中洲シェフのボキューズドール本戦進出への報告があった。
上海でのアジア大会を3位で勝ち抜き、2011年1月のフランスリヨン本戦に臨む。
アジア大会壮行会、応援団長を務めた自分にとっては非常に思い入れが強いニュースであり、久しぶりの中洲さんの姿に胸躍る。

広報担当からの報告のあと、マイクが中洲さんに渡り、アジア大会の感想と、本戦への意気込みを求められる。ワクワクした。世界狙いましょうよ、中洲さん!

中洲さんは、静まる会場内で、ひとこと、ふたこと声を発するも、すぐにマイクを下ろしてしまった。



「…悔しい」



アジア大会。結果は3位。優勝はマレーシアの女性シェフ。アジア大会2度目の出場の強豪。
2位は中国。僅かに2点差。そして、中洲さん。



一番大事にしなければいけないことを、蔑ろにしていた。
「フランス本戦のときも応援しますよ!現地まで追いかけます!」
応援する。簡単に言っていた。

大学時代、一番本気で、全力で取り組んだのは応援部での活動。応援。
自分のバックボーン。
応援。

「応援したくらいで、勝てるかっ!」
これは幹部時代の自分の言葉。表面的には、自虐的に聞こえるこの言葉。
いまだにおもしろおかしく語り継がれる名言を残した。でも、本当の意味は。

そう、応援したくらいじゃ勝てない。生半可な応援じゃダメなんだ。
応援すべき相手と同じフィールドに立てる、同じ目線に立てるくらいの気持ちと努力のない者が、「応援します!」なんて言っちゃいけない。「頑張れ」なんて口に出来ない。
勝って涙し、負けて涙する。そんな応援が出来ないなら、ただのパフォーマンス。
それが、応援部としての気概。

「応援したくらいで、勝てるかっ!」



パフォーマンス低い、なってない。目の前の業務を大切にできてない。そのくせでかい口叩く!情けねぇ!媚びてばっかで伸びてねぇ!サヨナラ、サヨナラ!嫌いなとこ全部、キックだ、けっとばす!っあ゛ーーー!

情けなくて涙出てきた。自転車こぎながら。なんて軽い涙だろ。がんばりきれない自分が流す、ただの水。血も、汗も、混じらない、水。

いまの自分が、誰かを応援するなんて。鬼のリーダー長が見たら、ぶん殴られる。
いや、シカトされる。過去の自分に、突き放される。

この涙は水だ。血も汗も混じらない、ただの水だ。



中洲さん。ありがとうございます。一緒に、高みに上らせてください。
俺も、がんばってついていきます。
フランス本戦、絶対に、勝ちましょう。

頑張ろうぜ、みんな。

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